社会保険の算定基礎届を電子申請で提出する方法を解説します。
事務担当者や社会保険労務士の皆さんの参考になさってください。
注:この記事は、電子申請の事前準備が整っている事業所を想定しています。
最初に使用するのは、日本年金機構が公開している「届書作成プログラム」です。
起動し、「届書の作成」をクリックします。
「最初から」をクリックします。
今回行う「算定基礎」をクリックします。
画像の黄色の部分が入力する欄です。
書面申請と同じ内容を入力し、「登録」をクリックします。
社保加入者が複数いる場合、続けて入力し登録します。
全員入力したら「入力終了」をクリックします。
画像では2名登録しました。「保存終了」をクリックします。
ポップアップが出るので、「OK」をクリックします。
ウィンドウが開くので、ファイル名を付けます。
「算定基礎2024」などとします。
ここで作成されるのは.jkkファイルという耳慣れないファイルです。
保存場所は、デフォルトのままで結構です。
最初のメニューに戻り「電子申請用」というカミナリマークをクリックします。
直前に作成した「算定基礎2024」.jkkファイルを選択します。
これから.jkkファイルを.csvファイルに変換します。
ウィンドウが開きます。
黄色の欄で.csvファイルの保存場所を選択できます。
上の赤で囲んだ数字が「010」となっていることに注目してください。
「OK」をクリックします。
.csvファイルの作成を知らせるポップアップが開くので、「OK」をクリックします。
総括票が開きます。
後ほど同じ内容を入力しますので、印刷またはスクショすることをお勧めします。
確認したら、「キャンセル」をクリックします。
画面が切り替わりますが、上の赤で囲んだ数字が「011」になっています。
「作成終了」をクリックします。
PC内に.csvファイルが作成されているか確認できます。
保存場所を開くと「010」の番号が付されたフォルダがあります。
「010」を開くとさらに「0001」というフォルダがあります。
さらに開くと「SHFD0006」という名称のファイルがあります。
これが電子申請で提出する.csvファイルです。
ご注意いただきたいのですが、この中身を確認しようとしてエクセルなどで開かないでください。
開くだけでレイアウトが崩れることがあり、電子申請に使えないデータとなる場合もあります。
上司の決裁を受けたり控えを保存したりするため、内容を印刷したい事業所もあるでしょう。
その場合、左上の「ファイル」から「届出内容一覧表を印刷する」をクリックします。
ウィンドウが開くので、「プレビュー」をクリックします。
すると、データの内容を見ることができます。
必要に応じて印刷したりPCに保存したりしましょう。
続いてファイルの提出です。
「届書作成プログラム」で提出することもできますが、e-Gov経由で提出することをお勧めします。
理由は、申請案件の管理を一元化できるからです。
「届書作成プログラム」で電子申請した場合、「届書作成プログラム」でなければ確認できません。
しかし、「届書作成プログラム」では行えない手続があるため、e-Govの利用はほぼ必須です。
それならいっそ、「届書作成プログラム」で提出できる手続もe-Gov経由で提出してしまいましょう。
デスクトップアプリを開き、「GビズIDでログイン」をクリックします。
メアドとパスワードを入力します。
ログインにはスマホの操作が必要です。
ログインできたら、「手続検索」をクリックします。
キーワード「算定基礎」と入力して検索します。
3件ヒットしました。
手続名の中に(CSVファイル添付方式)と書かれている手続になります。
先ほど「届書作成プログラム」で作成した.csvファイルをここで提出します。
右側の「申請書入力へ」をクリックします。
入力するページに移動します。
黄色の欄に、先ほど印刷またはスクリーンショットで保存した総括票の内容を入力します。
続いて「書類を添付」をクリックします。
「追加」をクリックします。
赤で囲んだ箇所は必須項目です。
右下の「参照」をクリックすると次のウィンドウが開きます。
「010」フォルダをクリックします。
「0001」フォルダをクリックします。
「SHFD0006」ファイルを開きます。
画像のようになりました。
このまま「添付」をクリックすると、添付が完了します。
添付ファイルは提出までに何度でもやり直しができます。
ここでは、社会保険労務士を想定して提出代行証明書の添付もしてみます。
「追加」をクリックします。
2つ目のファイルを添付できるようになりました。
社会保険労務士が事前に準備しておいた提出代行証明書を添付します。
添付ファイルをすべて選び終えたら、「添付」をクリックします。
画面が戻るので、「提出先を選択」をクリックします。
「大分類」で都道府県を選ぶと、「中分類」にハローワークの一覧が表示されます。
選択し、「設定」をクリックします。
添付ファイルと提出先を選択したところです。
このまま提出してもいいのですが、お勧めしているのは「申請データを保存」です。
ウィンドウが開きます。
保存先を選び、ファイル名を入力します。
ファイル名は「算定基礎2024」など分かりやすいものがいいでしょう。
「保存」をクリックします。
保存が完了したら「閉じる」をクリックします。
このデータの利用方法は後ほど説明します。
画面が戻るので、「内容を確認」をクリックすると、エラーがあれば教えてくれます。
エラーがなければ、上の画面に移動します。
ここで「提出」を押すとデータが送信されます。
事業所によっては、上司の決裁を受けたり控えを保管したりするため、紙の資料が必要です。
その場合、提出する前に「プレビュー」をクリックします。
すると、提出する書類がブラウザで表示されます。
マウスの右クリックで「印刷」を選びます。
設定を選んで印刷などすることができます。
ただし、残念ながらこの時点で算定基礎届の中身は確認できません。
データは.csvファイルの中に数字の羅列として保存されています。
前述の「届書作成プログラム」の「届出内容一覧表を印刷する」機能を使ってください。
「プレビュー」を終えて「提出」をクリックすると、提出完了です。
マイページに戻ると、「直近の案件」として算定基礎届が年金事務所に到達していることが分かります。
先ほど保存した申請データの使い方を説明します。
マイページの最下段にある「作成済みの申請書を読込」をクリックします。
ウィンドウが開くので、「参照」をクリックします。
作成していた算定基礎届の.zipファイルを選択し、「開く」をクリックします。
ファイルが入力されていることを確認して「読込」をクリックします。
画面が自動的に切り替わり、提出前の状態が復元されました。
添付ファイルなどもそのままです。
さて、早くも翌日には処理が終わり、「標準報酬決定通知書」が届いたようです。
処理待ちの電子申請案件がある場合、少なくとも一日一回はe-Govにログインしましょう。
「公文書」が届いていることが分かるので、「公文書」をクリックします。
画面が切り替わり、算定基礎届の案件が表示されています。
赤で囲んだ「到達番号」をクリックします。
「申請案件状況」の最下段にある「公文書をダウンロード」をクリックします。
公文書は.zipファイルなので展開します。
すると4つのファイルが入っています。
一番上の「7130001」というXMLファイルをMicrosoft Edgeで開きます。
空白です!
右上の3点リーダーをクリックします。
「Internet Explorerモードで再読み込みする」をクリックします。
すると上の画面の通り、「標準報酬決定通知書」が表示されました。
右クリックで「印刷プレビュー」を選ぶと上の画面になります。
必要に応じて印刷したりPDFファイルにして保管しておくとよいでしょう。
その場合、左上の「ヘッダーとフッターの表示または非表示」で上下の情報をオンオフできます。
「標準報酬決定通知書」が届けばひと安心、とりあえず算定基礎届の手続は完了です。
いかがでしょうか。今回の情報を参考にしていただき、電子申請に挑戦してみてください。